鈴木雄介ブログ
2006年10月21日
建築論
日本の伝統として槇文彦氏の論説により後生権威化された奥性の空間は、けれども、私はその一面を言い表しているに過ぎないと思う。
男系的なもの、やまとたける的な志、眺望的空間への指向は、包容する秩序にも比して日本的な文化である。
国見山、姫路城、六本木ヒルズ、伊達藩の国見が丘、いずれも天下睥睨の神格昇華を目指す雄々しい志向の故。奥性に対する眺望性は、空間構成における景観的両極としてわれわれの文化技法のうちに数え入れられねばならない。
隠
(
こも
)
り
国
(
く
)
の
山門
(
やまと
)
のみに非ず、国見の大和にもそれはあるのである。
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