2006年5月5日

各地の創世記に見られる通り、異性との情愛以上に孤独への慰めとして歴史構造的に共有される活動はないかの如くだ。だが我々は結局そこにすら空しさを見い出さずにはおけない。全ての永遠の異性愛とやらは雌雄別体生物的本能の昇華としての限界を常に帯びる。即ち遺伝子の生存主義的利己による性を。キリストは偉大だったろう。古代ユダヤ人の信念を活用して普遍愛を知らしめた。だが不思議と、性愛が愚か者にとって最初に頼られるものでもある。尤も、全ての性愛は神の慈悲へ至る。いわば博愛とはその性の究極の姿だったのだ。普遍的に充実した生といったものは理想の神格化の行程にしか見つけることができない。