2006年3月28日

姿

DNAの微差はそのまま人間格差から国間差まで影響を及ぼし、互いを凌ぎ合う。それは、より高等な種を産み出すためであり、より高尚な文明を築き上げるためである。
 なにゆえ? 生き残ろうとする意志の故に。工夫を重ねて雌雄の別を作り上げ、羽を伸ばし、体毛を捨てた。より複雑な細胞配列を目指して次々にめまぐるしく進化していく組織的運動体。有機物をどんどん取り込んでは消化し、己の体系の環境相互作用効率を快苦の理により鍛え上げる。生きては死ぬものたち。
 宇宙が多様化を指揮するなかで人間もまたその手助けをする実在にすぎないのか。競合は所詮、形の多彩に貢献する方法でしかないとすれば。