2006年2月17日

人へ

人よ、自ら無知を絶えず恥じよ。どうして自惚れるほどお前の小さな脳が立派であるものか。宇宙の遠大さを想いなさい。お前たちより遥かに優れた命が暮らす美しい世界を求めよ。
 なぜ君は産まれてきたのか。愛という名で呼び慣らす、雌雄別体で二足歩行の有機体が有する生存欲求の昇華の度合いに従って。
 未来永劫の光明の向こうに、理想の幸福は静かに眠っている。どうして彼女を求めないものか。どうして君たちは喧嘩で己を空しく費やすのか。そうしているうちに彼女は寝床を抜け出して、女神になって消えてしまうに違いない。
 目を開けよ。地球のどこへでも飛んで行って、下々の魔法を解いてゆけ。愚衆と聖者を隔てる大きな川に天懸ける橋を渡そう。人類はもしかすると君を崇拝するかも知れないぞ。猿山の王者はその山の頂から何を見通すのか。
 万物の霊長類たる人間、貴様たちにも命あるものへの慈恵の感情が無いはずがない。ならばなぜ同類相食むのか。超大国の王様に遣使を送ろう。
 貧弱な町の民に山ほど金と情報を恵みたまえ。悲しみを嘆き、不屈の精神で地球人類を背負い、日々勤労に殉じよう。なぜ貴君が神たるに値しないのか数学的モデルを挙げて証明するまでもない。救い主を辱めるテロリストにはお辞儀でもしておけば良い。奴らに国際法の定義から説く手間暇を勿体がるな。