2006年2月17日

宗教学

凡そ、かつて人間が到達した至高の道徳的理想は、ガウダマ・シッダールタの一切衆生への慈悲すなわち全生命体の慈恵にあると考えていい。
その他の思想家、宗教家、道徳家、倫理学者の理論は飽くまでも人間本位の自己中心主義から免れない。

道家思想や民族信仰は一部これに例外するが、普遍社会への積極的道徳となるには足らない。
慈恵は造物主あるいは神の心に殆ど近づく。

 ガウダマ・シッダールタにとって地球を超え、我々の暮らす宇宙は全て、生命の幸福を促進させる機関だった。
それは、諦念という究極の思想的昇華によって人格そのもの超越する悟りの手法に基づいたものだった。

 慈恵の精神は人類の道徳の歴史的終極を示している。
ガウダマ・シッダールタの思想への崇拝は仏教として大衆化し世界宗教にまで発展したが、彼の到達した究極の精神性こそが人間界の至宝だった。