自然と人工の組み合わせ方に未来の建築表現がある。なぜなら人工は自然の中にしか在り得ず、自然は人工を含まずにはおかないから。つまり我々の生活は理性の限りの合理性を環境に求める。都市とはこの結果なのだ。完全に合理的な環境があり得ない以上、自然から人工が完全に分立することはない。従って、建築表現は単体の造形を競う戯れを超えて、自然との調和に挑む空間の芸術へと進むだろう。しかし、この様な意志は常に存在して来たのであり、専ら普遍的なそれが自覚され得なかっただけである。理由は地域主義の隔離性にある。しかし普遍的様式はそれを乗り越える。
現代に於いては個々の場所に適した同じ建築が建設されるべきだろう。技術の地球的な革新は世界中のどこでも、誰もに心地よい空間を最も合理的な仕方で建造できる。必要なのは都市に対する最善の解答であり、それは又、自然と人工を止揚して芸術化するものでなければならない。