2005年11月24日

快苦

生命体の感覚といったものは化学反応の相対性の意味なので、我々がより高い精神的欲求を自覚して低俗な歓楽を軽蔑するのは割に合っている。苦痛が無ければ快楽は本当によく味わえないのだから、人間の本性に基づく限り大事なのは苦痛の質を非肉体化するのに応じて高尚で精神的な快楽を味わう事。
 尤も、肉体の保養はこの様な生活態度がもたらす中庸の徳を最良とする。本人が禁欲主義と享楽主義の何れかを主観的信念と定めるかに関わらず、客観的には、我々の肉体的快苦もこの仕方で頂極される筈。