2005年10月10日

生命体

人を含めて、生命体はなぜ生きているのか。何故に対する解答は一般的に「~だから」という形式になる。生命体は宇宙の動的形態。それは有機性を持ち、盛衰のパターンを伴いつつ生存という基本目的を追求する。と、そういった「どの様なものか」という問いに対する回答は可能なのだが、「なぜか」という問い、つまり哲学的な懐疑に対し科学は役立たない。事実の分析が対象科学の仕事であって、批判ではないからだ。
 そして生存する為という根本因を無碍にした先では最初の質問自体不適当なものに思える。生きる為に生きるから。それ以外に適当な一般解があるか。けれども、私の疑問符を納得させるだけの解答として、それでは不完全。生きる為に生きるものとして、人間だけが独自に持つ生存の普遍的論理を明らかにせねばならない。考える理由はそこにあるから。