2023年2月24日

愚者と悪人の性質

類は友を呼ぶというが、確かに、話が全く折り合わない様なタイプの相手は、生まれながら脳が違うのか感覚が違うのか、関わるだけ摩擦が生じ、全く相性が悪い。
 人生には事実、関わってはいけないタイプの人間がいる、と我々は「和の国柄」とやらで教わらないでいる。だが現実には確かに存在するのだ。

 関わってはいけないタイプの人とは、即ち悪徳に満ちた人、もしくは一般論として愚者である。
 真善美のうち、美醜に関してだけは、仮にみにくい容貌でも必ずしも関わるべきでないとはいえない特徴がある。見た目がどうあれ心が良ければそれはよい人で、賢い事すらある。
 だが悪人と愚者はそうでない。

 悪人に関しては全く救えないので、相手の性格が悪いとわかればできたら一気に、それができなければ徐々に縁をきったり、遠ざけたりしなければならない。性悪は遠からず自分も被害者にしてくるからだ。
 愚者に関しても、釈迦が原始仏典で言ったよう、単に一緒にいるだけで苦労がふえる性質がある。

愚者とともに歩む人は長い道のりにわたって憂いがある。愚者とともに住むのは、つねにつらいことである。仇敵とともに住む様に。
 心ある人とともに住むのは楽しい。親族に出会う様に。
――『ダンマパダ』207

自分より愚かな人しかいなければやむを得ずつきあわざるを得ないが、極力避けた方がいい。
 愚者とつきあうより、通常、一人でいた方が遥かに幸せだ。
 悪人と共に少しでもいるべきでないのはいうまでもない。破滅が大抵の時、悪友から学んで身につけた悪習によるのをよく観察せよ。
 愚者は賢愚の見分けもつかないでいる。それでほめるべき人を貶し、悪友と慣れ親しんで、人生を誤っている。