2020年10月6日

暗い冗談に限らず、高い言語性IQの持ち主は一般に、修辞表現へ比較的理解度が高い傾向があるだけ説

某氏がIQが高いと皮肉な暗い冗談(政治的不正な色づけだがブラックユーモア)が好きといっていたのだけれども、この案件もそうだけど、はっきりいって心理学者って一般にIQ低いんじゃないのかと思う。どう考えても擬似相関でしょ。単に言語知能が高いと高度な修辞が分かるだけだろうと思う。
 高度に修辞的な言い回し厨と短文厨は、言語知能で逆の傾向だろう。原論文も昔読んだ事あったと思うが、だからといってIQ高い人が一般に暗い冗談を、そうでない修辞表現より好むかといえば必ずしもそういう事はないだろうと思う。単に皮肉が理解できない人との間に有意差くらい検出できるだろうってだけ。
 そもそも言語性IQがIQの一部であれば、同時に他人の心理を推察する共感性にもIQが関係しているだろうし、他人を傷つける暗い冗談をそうでない思いやりある冗談より好む傾向が、高IQの人一般にあるとは到底思えない。他者への共感的な認知の取得ができている筈だからだ。寧ろ逆の方があるのではないか? 他人を傷つけるユーモア、例えば弱者を嘲笑するもので、しかも修辞を全然使っていない一般的な冗談について、IQごとに好む度合いを実験で統計とって見ればいいと思う。もしそこでもIQ高い人が「単純な」暗い冗談を好むとすれば、嗜虐性に関する性格の悪さとか別の要素が介在しているだろう。

 科学はどれも仮説の集まりなので、現時点での或る論者の主張が全面的に未来永劫正しいと考えるのが誤りなのはいうまでもないが、そのある仮説を根拠に、断定的口調で人生へ一般論を述べるのもある種の宗教、科学教といって間違いないだろう。統計的有意差自体が危うい断定なのにその上に砂の城を作る。