2019年9月8日

見える化は本来、可視化の改善という意味

トヨタ経営者側が労働者らに、可視化を見える化と奇妙な大和言葉化した疑似口語表現を使った方が伝わり易かったので、それが一般商業社会に流通しだしたのだと思うが、見える化の化は漢語というか音読みのままなのだから、わざわざカシをミエルにいいかえた意味がよくわからない。一文字分多いし。
 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説によると、見える化はトヨタの「アンドン(ランプ)方式」に於いて、可視化した業務の改善を含んで定義されているらしい。(岡本渉「生産保全活動の実態の見える化」1998年)
 カンバン生産方式の様な改善過程を含む定義でのみ見える化というべきなのに、商売用語としてこれを超え可視化と同義で使われ始め、やがて一般社会に広がった表現とみられる。つまり狭義では「可視化自体の改善」が見える化なのだから、文字面に引っ張られ一般に誤用なり、無意味に援用されているのだ。