2019年6月25日

先ず一律貸与を法制化して後に最低賃金を撤廃すればよい

フリードマンのよう最低賃金の撤廃が合理的という意見は巨視経済の観点から時に主張されてきたろうし、私もそう思うが、問題はこれは低賃金労働者に致命的で生活保護制度とも矛盾をきたす貧しさへの競争を促しもする。つまり同時に一律貸与(universal credit)等での公的保障を考えない限り、相対貧困を拡大してしまう。
 当主張をする西村博之氏堀江貴文氏は、現時点までの主張分では主に資本家・経営者側から事をみて最低賃金撤廃が合理的とみなしている様に私にはみえる(なぜなら既存の労働者側は、企業が人件費圧縮で賃下げの結果、以前より低賃金で働く結果になるので)。公的保障の拡充より先にそれを実行すれば生活保護の程度を引き下げながら低賃金労働者を増やす結果、経済全体でみれば日本の消費全体が収縮していくだろう。要は国家経済に負である。
 私の意見としては、地球経済と市場放任の観点から、行政が最低賃金を法的に定めるのは止め、代わりに総所得が生活保護に満たない人々を一律貸与で生活保障するのが正しい。順序としては先に一律貸与を法制化し、次に最低賃金撤廃を行う必要がある。この逆(先に撤廃)を行うのは社会不安を来すだけだ。日本単位の経済として最低賃金撤廃は国際競争力を高める効果を伴う。同時に国内での所得格差拡大を伴うだろう。だが総じて一律貸与の水準が既存の生活保護以上で、また累進税制全体が矛盾なく(租税回避などの法の抜け道や逆進性なく)調整へ向けられていれば、国家経済全体の収縮には繋がらない筈である。