若さを主な価値としている人は、時と共に減価する。が知恵をそうする人は年を味方にする。また若さは誰もに初めから備わっているので、差異化できない。
一方、蓄財で知恵の不足を補おうとする人は、ねたみを敬いと誤認させようとし、結果的に憎まれ役になる。金儲けの知恵がありがたがられる時も、それはそのひと個人の人柄への敬意ではない。守銭奴の若者は若害とみなされ嫌われる事からも、金儲けの知恵は道具的価値である。故に過去の金持ちは、その財にたかる人で埋め尽くされ、誰も彼らの人柄を良きものとは思わないのだ。もし多かれ少なかれ愛されるべき金持ちの人格がいたとしても、それは生前に希少価値や他者に必要のある金銭を独占したという憎むべき業に反して、慈善的な側面があった場合に限られる。