2013年2月10日

NHK大河ドラマの批評

廷臣八十八卿列参事件に見られるとおり、水戸藩とは一切関わりない幕政及び井伊大老の弱腰外交に憤怒した孝明天皇により幕府を除いた皇族の嫁ぎ先と大名に下された、青天の霹靂である戊午の密勅を朝廷から直々に拝受し、それを幕府へ返納するかどうかという激しい藩内紛糾の末に不平等条約で売国の過ちを犯している幕臣を必死の思いで説得しようとした矢先、共に御三卿の家茂と慶喜の能力を比べてより将軍に向いた方を幕府の危機に立てようとした正直で公明正大な一橋派への猜疑心で凝り固まっており且つ融通の利かない官僚主義の慣例慣行を妄信して自ら賢明な忠臣をみな陰険に排除しようとした井伊直弼から疑わしきを罰する不正な安政の大獄という大量粛清の疑獄を受けてしまい進退窮まり、遂に最後の手段である諫死を志し各々自主的にその一命を犠牲にも桜田門外の変という賊臣征伐を決行した水戸脱藩義士17名と薩摩脱藩義士1名をさも反乱者であるかの如く悪意を持って誤解し、或いはその『斬奸趣意書』に於ける報国心の真意を理解できずに平成の御代になっても風説の流布で死者に鞭打つ扱いでかの名誉を毀損するのみならず、第一の尊皇にして徳川幕府御三家の水戸へ冤罪をかけた討伐という名の濡れ衣の内容を放映させたNHK『八重の桜』作者の因業。