2009年4月25日

経済学

スミス的古典派の素朴な需給均衡論はそれが作物へ長期保存の効かない場合の農業の法則であり、ケインズ的現代派の失業発生論は製品の技革速度が相応にはやい工業分野に関しての理論なのだ、とまとめあげることができるだろう。仮に、必需品をスミス財、便宜財をケインズ財、奢侈品をスズキ財と置く。すると、スズキ係数(生活費全体に対する情報のみに割く百分率。すなわちInformation cost/Cost×100%)はこの両方には属さない産業の豊かさを示す一つの指標として用い得る。そしてスミスの見識にしたがって便宜と奢侈の品に関してはいかなる生産の自然的上限も設けられていないとすると、スズキ係数はエンゲル係数に対する生計的付加価値の総額をしめすことになるだろう。もしエンゲル係数をここでFood cost/Cost×100%と定義すると、
スズキ係数/エンゲル係数=Information cost/Food cost×100%
は実質的な工業的便宜品への支出を基礎付ける指標式(エンゲル分のスズキ係数、エンゲル\スズキ係数)となる。
 そしてケインズの理論が実際になりたつのは、この食費に対する情報費という限定的な条件下においてのみであるだろう。いいかえると、失業率が発生するのは社会が有する労働力供給がそれを吸収する雇用需要に合致しない場合だけであって、なおかつそれは工業的便宜品の社会的価値の毀損が生じない付加価値の差延量においてのみである。ここから、一定時間の製品価格担保をNew timeと置くと
determination I/determination F = New time
∴ dI/dF∫[0→N]f(N2)dN×100%=f(N)%
の積分係数は単位時間あたりの製品担保価格比率を変化量としてあらわすことになる。これを新品係数と呼ぶと、我々はこの積分係数の逆演算によって失業率比例を図示として予測的に割り出すことができるだろう。たとえば120円の食べ物をこの関数で仮に計測すると、製品の情報料として20円を差し引き、その消費期限を3年で概算すれば
d20/d100∫[0→3]f(32)d3×100%
=20 × 1/3 × 27%
=160%
よって、この食べ物を製造から3年以内に消費することは新品係数において+60%の価値担保が見込めると考えられる。裏を返せば、3年間で消費できないときは6割の価値毀損を被ることになる。
 同様の計算でマクロ経済における工業製品の付加価値も差延する変化量として概算できる。そして実質的には、この新品係数が高ければ高いほどその製品の価格は製造業にとり、また失業の未然防止に有利なのである。なぜなら時間が経っても毀損しない製品生産はそれが便宜的であればあるほど蓄積し、次の事業のために余裕を、すなわち内部留保を約束するだろう。