2018年2月9日

賢愚と地域

愚かな人とくらすのは辛い経験である。愚かな人の多い地域にくらす事は、更に辛い。或る国や場所にくらして幸福だとのべている人は、その地域の中央値的な愚かさ以下なのである。
 人格者を含む賢者は数が限られるから、どの国でも衆愚に囲まれ苦しい。しかし賢者は下衆の悪徳から逃れるため一定の人々で集まり易い。したがって、賢者の集まっている傾向のある地域では、社会秩序が発生し犯罪率が低下する。
 高犯罪率の大都市に大学等の教育研究施設を作るのは、実に愚かしい。それは暴徒の中で賢慮を保つ困難さと不運に等しいので、多少あれ失敗を余儀なくしている。同様に、人が賢明なら少なくとも高犯罪率の地域を避けてくらすだろうし、ならず者のみが大都市や荒廃した国々で幸福なのである。