2017年1月14日

内省と社交

この世では優れた人ほど内省的である。人類が外交するのは他人から学ぶ為だが、優れた人は自分自身から学び取る事が最も多いから。
 裏返せば、社交性や外交性は劣悪な人間性、邪悪な性格の証拠に過ぎず、人付き合いが好きだといっている者は単に愚かだからそうなのだ。愚者や悪人にとって自分自身と一人きりで対面し続ける事は恐怖であり、それゆえ孤立を極端に恐れている。匿名性や衆愚性が生まれている場はどこでも、劣悪な人間の溜り場である。又、君は人類史上で最も優れた人達が孤立していたどころか、しばしば孤独な内省生活を勧めていたのを知るだろう。引きこもりを非難する出づっぱり共は、いうまでもなく俗悪なだけである。
 優れた人は当然ながら数が比較的少ない。故に優れた人々は彼らの中でも最も優れた人のそばに少数集団を作り、当の良い仲間はブッダがそう云ったよう修行の全て、即ち人間生活の目的である。無限の社交性、際限のない外交性は、単に最も俗悪で最低の人間性を大衆的な通俗性として要求し、低俗な大衆、即ち俗人や凡人を生み出すが、この自称普通の奇怪な全体主義者が想定できる限り最悪の存在だ、と証明されよう。大衆が最悪である。彼らはできるだけ多数にまぎれる事で己を偽装した完全な利己主義者、他人に対する完璧な有害主義者だからだ。