人間は孤独を糧にすべきだ。人間社会にあっては孤独を維持する方が難しく、更に集中した仕事を為せる程、幸せな隠居性を好む心理の持ち主は少ない。ストア派の見識が仏教の教えに近似するのも無理はない。我々は社交性の洗練の究極に、唯一、孤独の満足を認める。
勿論小人にとって孤独は恐るべき事だし、その場合、彼らの生産は不浄な結果を斉すしかない。小人閑居して不善を為す。だが、全ての芥は棄てられる。大宇宙の循環に比べて人間社会の仕業は余りにも卑小だ。彼らの心配も一喜一憂もみな、一夜の夢に等しい。
望むべくは俗物には仕事を与え、賢者には閑暇を許せよ。そのように社会構造を脱構築せよ。尤に此は経済と呼ばれる社会現象に過ぎない。