私はSNSを相当試したが、社交界一般と同じ結論、即ち有害という結論に辿り着いただけだった。ミル『自伝』での忠告は多少なりとも知的な人にとって今日、SNSにも完全に当てはまると書いておく。
ただ下衆の様子をみても、品性を堕落させるのでなければ世知の一種として人類の悪意をまざまざと見るだけだ。小人は下達するの一種になる範囲が余りに多すぎるのだから、SNSを避けるに越したことはない。だが海千山千としてサイコパスやダークトライアドの類が現実にいて、彼らは日常生活にまぎれ世間体を演じ人々を騙していると知るのは重要かもしれない。また性悪が現実にいるのを見るのは世間知らずと対極にある認知である。個別の例外が多すぎ、統計的差別が役立たないのも社交によって得られる重要な理解だ。
結局、これら下衆の生態を見聞きするのは、直接体験でなく抽象的にそうした方がましである。SNS自体が標本抽出的なものだが、更に抽象度の高い形で学べるならそれがより優れている。具体的にはこの文章もそうだが、他人が書いたできるだけ上位分析を含む体験談でも十分すぎる。