道徳とは人間社会適応心性の謂い。
指導的人物こそが道徳を得る。
地位とは単に知性や判断力によるのみでなく、道徳適性にも応じた順位制であるべきもの。
われわれは倫理と道徳という二種の言葉にしばしば人間理性の実践と理論の両極を当てはめる。が曖昧。
福澤は『文明論之概略』で公徳と私徳という言い方で両者を使い分けている。この用語が一般的でない以上、われわれが哲学論文以外の場面で倫理と道徳とを混用するのは自然。
もし哲学とは諸概念の純化なら、われわれは批判哲学により、用語についての実践定義、正名論を為す様に努めなければならない。
道徳と倫理の間には定言命法と中庸的実践との差がある、と認識するを得る。