2007年1月3日

文明学

文明の永続的発展の基礎には必ずや文明学の成功がなければならない。博学者の哲学的総合によらなければ一文明の将来は覚束ない。
 我々は世界史中に多くの文明の興亡を観てきた。又生物種が環境変化に適応して来た様に、文明も時代の唯物史的変遷に応じてその姿を変えて行くだろう。
 我々自身は実存的な参加によって世界史を動かす個々の主体。文明学説は人類思想へ影響を与えて彼らの中に格差をつくる。時代の技術水準への適応に成功した文明は栄え、失敗すれば人々は没落する。
 もし真に賢い人々が存在すれば、技術水準の編成へ度々進化して着いていくに違いない。我々が文明学説を必要とする由縁。
 しばしば何々主義と名づけるところのIdeologieは大抵個々一文明学説の名称。
 私は諸々の文明学説の中で、とくに体系化された科学に値するものを文明学と呼びたい。普遍的に共有しうる形に抽出された理論は時代を問わずに社会体制の理想へ適合する筈。
 文明を永きにわたり保障するには文明学理の積み重ねがなければならない。数知れず多くの学説を擁藍帰納し、確立された既成学理から演繹推察し、仮説を検証する経過を通じて人間社会の新たな指導法則へと思想を展開させて行かなければならない。
 以上の哲学的な志向は人類の本能だけでなく、理性の普遍的願望にも叶う理想だろう。