人間界の悲惨の殆ど全ては他人がもってくるものだ。
それは他人が自分より遥かに愚かで、悪徳に満ちているからである。当人が暗愚で、悪性者ならその逆かもしれないが。
少なくとも並々ならぬ人物にとって、他人と接することがあらゆる不幸の源泉である。だから世を避けて暮らせ。
他人なるもの全般が自分に比べどこまでも愚かで、どこまでも卑しいものだと知ればこそ、聖なる人は孤立していなければならない。世人と交わって不幸になると知ればこそ、現世に名を知られることなく、群衆の渦中に入り込まず、ただ驕れる愚人どもをひたすら避けて生きるがいい。