2015年8月31日

感情論

愚劣な人間を相手にするな。清浄な者を相手にせよ。子供や孫を産み育てている人間は他の動物と変わらない以上、何の立派さもない。人間の正格は、その理性の度合いで測られる。とるに足らない者でさえ本能のままに子孫を残してきたが、かの文化はひらけていなかった。偉大な文明にあって、子孫を残す事より理性的である事が尊重されるのは、人間性に叶う暮らしは理性的にのみ営まれると人々から認識されているからだ。逆に、進歩していない文明の中で人々は獣類の如く本能的である。
 その文化が続く限り、本能は完全に消滅はしないが、他方その発露には理性との調停策として感情という方略が執られる。そしてこの洗練の度合いが、いわゆる趣味なのである。

努力

偉大な努力のあとも
どんな跳躍であれど
君は何もみてはない
君は何をみていたんだ
しんでいく鳥に尋ねても
海はすべてをのみこむだろう
はるかな頑張りの末に
やっと飛びたったというのに
君はどこ吹く風で
すでに誰かといなくなった
まるで予定された宿命だ
やっと書き上げたというのに
僕のうたが届けられていく宛は
常に決まりきった人だというのに

僕は頭を抱えてしまう事になった

僕は頭を抱えてしまう事になった
僕は頭を抱えてしまう事になった
僕は頭を抱えてしまう事になった
それからしばらくの間
のちなからん
たしかにたしかに

現象

遊び戯れる全現象も
消えたら何も残り得ず
不思議と願う
遊び戯れる全現象
諸行無常の中
今すぐ誰もが消えるでもない
消滅にさえ気づかぬ
そろそろと歩みだし
どこかで倒れいなくなる
明滅している星の中
現れては消える命でさえ
銀河に埋め込まれた偶像
くるくると回りつつ
落ちてくる楓の葉

2015年8月28日

にわか雨

急に気づいた
突然の雨
いつまでふりつづけるのか
急にあがった
今までの雨
いつから僕は眠っていたのか
連続で悟り澄ましてみたところで
別になにが変化するでもなく
急に怖じ気づいて
逃げ出そうとしたって
尚も海はたゆたう侭である
毫も僕は動じたりしないのだ
にわか雨
たとえ全人類が滅び去ろうとも

丁寧に描いたどんな絵も
気づけばなくなるものなら
このよはどこもそうだろう
とわに残せる傑作は自然の内になく
宇宙の外のたなごころのみ
まじめに働いた誰もがみな
悟った仏のごとき人なら
このよはすでにあのよだろう
とわに残せる落し子は世界の内になく
宇宙の外の神の言葉のみ
とわに信じる思いでさえも我が身と共に
旅人の枕詞となりはててしまう
始めにうまれた誰独りとして
いきつくはてをしらないこの旅に

誰にもしられてない場所で
誰からも遠くにいて
我々の未来を思え
価値のない今はない
あの原因不明の星空の一部に
我々の未来を信じていろ
計画通りの今じゃないとしたら
未来だってそうだろう
今すぐに飛び出して
車や船をのりつぎ
辿りつく果てに
もう少し眠ってから
君が起き出した頃
この星は宇宙の中を巡っている

あじさい

しとしとと降り続けた雨に
聴いていた記憶はあじさいに融け
枯れた
だから僕は言ったんだ
もう雨の音を聴くべきですらなく
少しずつでも
この世の幕を閉じ続けねばならない
それですべておわる
僕は絶望のねいろを溶いて
あの画布に天の色で
しりもしない原型を描こうとしたが
見えてきたのは他でもなく
君の微笑みだった
宇宙の花火みたく

2015年8月27日

名もなき工人達よ

名もなき工人達よ
あなた方の作り上げた場は人々が憩っている
あなた方の理想は人々の心を慰めている
あなた方の労働は誰かがきっと見ている
名もなき工人達よ
私はあなた方の為に大きな絵を描こう
まるでそれが私達の祝福された境遇かの様に
まるでそれが未来永劫の仕事を称える
神からの息吹かの様に
時に立ち止り天を仰ぐがいい
そこに流れ去る雲と星屑
名もなき工人達よ
我々とて同じなのだ
なにもかもなくなるまで

2015年8月26日

いなくなるもの
あらわれたもの
あなたは一瞬だけ眠りこけ
この世の変遷をとりかえそうとする
いなくなるもの
あらわれたもの
どいつがこの世をつくり出した
しりもすまい
宇宙のどこにいても
理由のない生活を続けていても
人間という兵器にとじこめられ
外に出たいともがいてる
ところで空には朝がやってくるが
きみはもう起きなければならない

2015年8月22日

よくみてほしい
誰もいない海岸に夕日
君は世界には何もないというけど
設定ミスの自然なんてない
ちょっと勘違いした
あの星がおちていく水平線に
輝いているあまたの人の街も
しんでいくだけになった鴎の骸も
もうないというけど
てもとにはあふれてる筈の光
もう手遅れみたいだというけど
見直してみたらいい
足りなかったのはこの世を創った人ではなく
受け入れる為に必要な頭だ

あなたのいない間
地上にはふる雪
あなたの遊んでいる間
天上にもふる雪
あなたのねむってる間
世界に雪がふる
ときにたちどまって
少し考えている間
月の動いてる間
星の巡りくる
町の喧騒のさなか
ふる雪のなか
私はあなたをよんでいる
永遠にふりつづける雪よ

2015年8月19日

脱俗

俗物に関わらずにくらせる事は、最高幸福の一つである。

2015年8月18日

夜と朝

夜深く夜深くに
誰もが寝静まった頃
続く寝息やいびきの中で
一瞬の願いを捧げてみても
いつの間にか朝が通り抜ける
地上を新しく満たしていく
新しい旭に打ちひしがれ
懐かしい夜は過ぎていく
悲しい夜を超えて
新しい朝が明けていく
旅人は憩ういとまもなく
新しい旭に打ちひしがれ
またこの道を辿りゆく
悲しい夜を超えて

2015年8月14日

茨城の祈り

いかなる困難にも打ち克ち
我らの前に広がる大海原に
一面に広がる旭のうちに
その正義を祈りゆくもの
神の名のもとに
幾多の争いが繰り返された
皇帝ですら
俗人のそしりを免れぬ
いかなる困難にも打ち克ち
己どもの理想を
我らの前に広がるこの大地に
一面に明けて行くこの星に
我らの正義を信じ来るものを
祈りゆくものを呼び覚ませ

広島長崎

徳川へ侵略はじめた広島と長崎の元に天誅至れり

歩み

私の前を歩くな
私の前には何もない
私の後を着いてくるな
私の後には誰も居ない
私より先に生きたものなく
私より後に死ぬものなし
誰からも知られる事なく
誰からも認められる事なく
歩き続ける
歩き続ける先に何もなく
倒れた所に死ぬのだ
生まれた場所から
私の死ぬその時に至るまで
歩き続ける

雨音

宛てもなく書きし手紙に降る夜なり
音もなく降りし雨垂れしずかなり
夏の傘とびし間に雨しずか
暑き日に吹きし夏風芯を過ぐ
雨音に世の不条理を思いなす
夏の雨広縁の椅子から見る父

2015年8月13日

死生

死から目を背けている人間は生命を感得する事もない。生きているとは、老化に向けて時間経過しているその裏腹にすぎないから。

2015年8月10日

障害と適応

すべての障害者に適応状態をうみだすことが社会的使命である。

2015年8月9日

筑波山

筑波山ひとり心を救いけり
せみのなく声のふるなり真夏日に
打ち水の中をはねたるめだかかな

絵画

絵画は人類を平和にする。画家、絵画は誰も殺さない。

2015年8月7日

安保

安保といい他国に戦争もたらせり

2015年8月6日

株は最も危険な娯楽であり、最も損害を出してきた賭博に過ぎない。

2015年8月4日

身近

人生では手に入りそうもないものを求めることをやめ、ひたすら自分自身のなしうることに集中するべきである。遠大な目標に向かって突き進む駱駝の様に。
 不正によって得たものは、正しい為に失われたものより価値が低い。

2015年8月3日

黒揚羽

黒揚羽くろあげは夏風に舞う宙を飛ぶ
冷えた西瓜スイカ食べれば鳴くなり油蝉
旨すぎる西瓜冷えけり蝉の声

2015年8月2日

発明

エスカレーター発電。一定の人数になった降りの重みを、ベルトコンベアで発電し、登りに使う。
 衛星発電。太陽近くの太陽光パネル衛星からの電磁送電。
 水力エレベーター。高い階の箱に屋上や山の湧き水等の雨水を入れ且つ人を積んで下ろし、降りたらその水をあるいは徐々に抜く。それとケーブルで輪になったもう1つ又は複数の箱は、自動的に高い位置に移動する。
 宇宙風発電。宇宙船を恒星か惑星又は流星に近づけて飛ばし、その宇宙風でタービンを回し発電する。
 核融合宇宙船発電、あるいは核融合衛星。宇宙において核融合船を建造しそこから自星に電磁送電する。
 核融合星発電。熱を帯びた星におけるタービンの回転で発電する。

利権

人は権力と金をともに握るとどこまでも腐敗する。

2015年8月1日

絶対

何も見えず誰もいない
窓もない夕べに独り座り
大宇宙を映す空を眺めている
小さな声で探した人は
深い森の奥でねむりつづけた
誰もが絶望の底で
ゆくえしれずの絶対を確かめた
いつも探して歩いていた
みたこともない景色は遠ざかり
みなれたこの町の美に満たされている
地球のどこで絵を描いていても
僕の記憶ほど美しいものはみあたらない
もうどこにもいない筈のあなたは
ゆくえしれずの絵画にねむりつづけた

不運

なにも持たずだれもいない
下らない西日本人
もう嫌になる
東京や横浜、名古屋の下衆
邪悪で死んだ方がいい連中と
同じ島につめこまれ
同じ国民扱いされる不運に
どれ程耐えてきたことか
未来を信じ
はてしない旅路を行く
あの旅人も偽善の足取り
歴史を見ずに
とめどない言い訳をのべる
あの愚者も廃墟で戯れる

進化

ヒトは、子供に向かって進化する。