2006年12月29日

事件史学の目的

民族とか国家という観念は文明化の方途に現れた。競争は彼らへ協力の必要を悟らせる為の、自然からの課題だった。我々個人は社会において、事件を左右しなければならない。唯物史的必然と個人主義的偶然とが交わり、歴史を動かすのはその一点において。
 しかし君は次の事を知ると良い。好転か悪化か、事件には歴史的意義がある。
 そして偉業を導くものは広範な博識による熟慮断行であり、愚挙に堕するものは悉く無知から来る狂気。我々は歴史哲学を通じて、競争過度による戦を避け、協和の方便へ人民を導く最善の洞察力を得ることができるだろう。先覚者の巧妙な指導が事件史学の研究目的。それは温故知新的実用主義に貫かれた解釈学の体系でなければならなかったろう。