死後の名誉に意味がないといっていた人は、一体現世利益になんの価値があると思っていたのだろう。私はこの意味で商人全般を軽蔑している。彼らは死後を考えるほど賢くないからだ。
少なくとも私がみたかぎりその種の現世主義者が幸福に値した試しがない。彼らはとるにたりないくらしをし、しかも死後は生きていたことさえ誰もに忘れられるだけのちっぽけな存在でしかなく、そのうえ生前もひたすら金儲けしたり目先の欲に負け下らない振舞いをし威張り散らしていた。寧ろその種の侮蔑すべき商人を見過ぎたので、私は現世利益が虚妄だと知ることになった。