子供がいるから貴いのではない。卑しい親の子も卑しく育つ。貴い親の子のみが貴い。子のいない貴人は、子のいる卑しい人よりまさっている。卑しい親が産む子は、社会に有害である。親が卑しい事は一つの罪である。卑しい人間は無意味に群れ、悪口をする。貴い人間は孤立していても、貴い事を語る。卑しい親子になるなかれ。卑しい親子は不幸である。子供を生む親の貴賎によって、子は幸不幸を分ける。独身の貴人が清貧なら、その人は聖人である。この世では聖人以上の人間をみいだせない。聖人を卑しめる者は、人間を愚弄している。下賎の底にある極悪人は、その子供も人類にもっとも有害である。尊卑によってひとの価値があるのだ。貴い人は人徳に勝る。金銭の多寡は幸福とも尊卑とも関係がない。子供の有無も尊卑と関係がない。この世で幸福や、人類からの称賛に関係があるのは、人徳である。
安易に衆愚に群れるな。下賎の振る舞いを群れてなしたものは不快のうちに寝る。清貧がもっとも幸福である。清貧以上の存在はない。愚かな妻は不幸の原因。
善意がない子供は大人になってもそうだ。それが育ちというものだ。金よりも学力を重んじなさい。卑しい人に金を与えてはならない。尊い人のみ、金を人の為につかう。学問は貴人をつくる。富裕だから学問をするのではない。向学心があるから学問をするのだ。学問は習慣である。貧しい勉強家と、富んだ遊び人を見比べるがいい。生まれつき尊い人に、学んで尊くなろうとした人はおいつこうとする。生まれが卑しい人は、尊い人になろうとして学問をしなければならない。
己のために人をそしるな。不健康にあって幸福であることはできない。