2012年1月29日

人体生理学

涙の理由、なぜ目を潤すか。赤ん坊は涙によって見えなくなる。つまりまごつく。この作用は選択的だったろう。もしそれによって庇護を勝ちとればよかった。
 おとなが泣く理由はない。哺乳類でも犬猫あるいは猿のそれは、目に入ったごみを洗い流す作用をおもにもたされた。だから泣くとは、neotenyについてきた作用でしかない。極度に緊張した感覚機能、おもに五感のうちどれかの強調はおさなごの健やかさの目安として、幼児期にそうでない個体にくらべて親からより保護誘発的だった。そのありさまが「感情」というものあるいは体系的示され方の素を感覚機能へ付与してきたのだろう。泣くという情緒反応がのこるのは単にそれによるのだろう。涙腺の維持もまた幼児期の延長にともなって、すなわち遅滞した青年期以後にきた、多少あれneoteny化された成人後の確保にかなったのだろう。こうして、庇護を必要とする老年期になぜ人が幼児帰りして涙もろくなるかも説き明かされる。