各宇宙系の間に最小の接触点があるのはそれらが引力のみの関係で説明できるなら真。特異点定理はこの最小限となる時空間の抜け道について当たり、しかも引力以外を省みなければこの定点は不動。宇宙系同士の盛衰は、もし総量としての引力場間に、宇宙系毎の偏りがかなり大きければ起こり、且つそれらの絶対値は総量としての当宇宙の全仕事量による。この仕事量が尽きると一宇宙系は他のより強大な仕事量を誇る宇宙の部分集合として暗窟化(ブラックホール化)する。暗窟化した系は情報量の極大値の限界で流出が起こるまでは一宇宙内での引力収縮を行う。
上述の接触点は、引力のみの通路なら(なぜなら光速度はこの地点で当然、当宇宙の限界速度に達するので空間そのものは仮想の無限に極大化している)この暗窟化とは異なる反応の組織を持っていると言える。もしこの組織を光、少なくとも引力場の偏りが予想させる(少なくとも一定の時空間範囲で定常視できる、形状に則した複数の)極小点でのそれ、の系内で可能な最大自由値だとすると、ホワイトホールと呼ばれる宇宙の果ての極点にのみ実在可能な計算値は予想される。日本語で光輪と呼ぶと、最大の暗窟は通用宇宙では一つだとするが、少なくとも光輪はこの七夕宇宙系の最も平凡な基準となる湯たんぽ形状では最大のもので二つ存在できる。しかしそれらはやはり完全な対称ではないだろう。宇宙系同士の運動はもし全世界が静止し、しかも一定の形を保っていないなら必然だから。この宇宙型は銀河間の広域な流路が、実際の一光速度不動さの枠をのりこえて別の法則内へも流れ着く事を予想させる。最も源流となる全宇宙系の最上流領域は考えられていいし、原則として光速度に沿う空間は花火効果によってより重たい宇宙に於いてほど長寿を全うし易い。ゆえ七夕宇宙を仮に照準地点とすればより緩やかな流れが入り込む鈴系の側が、少なくともこの視覚域ではより上流に近いと言っていい。
だから生態構造との関係でいえば、より下流にあるだろう十五夜系の発展が早いそれぞれでは小規模の文明の内に栄えた何らかの秩序を、多かれ少なかれ地球の属した文化圏では受け入れる事になる。しかしながら、輸出入の関係でいえばより上流にあるだろう鈴宇宙は自然にその選択権を持つ。地球の川で実際にそうある如く、深海で生まれた幾つもの多様な形態は本来の場所とは大幅に異なる上流域へ再適合を計るのが途轍もなく難しい。この数式は地政学の一般的文化逆数に、進化速度を掛けた乗数へ更に生存確率を期待値化したものとなる。
1÷S×Evolution timeLiving probability
⇒EtLp/S
⇔EtLp/Area productivity log energy
⇒EtLp/Ape…上流到達率
この値は経済力進化論一般にも精度あれ適合する。但し、その精度は期待値の上限にあてはまる既存の文明度の許容生存確率に従う。よって値としてこの割合がゼロ以上となるのは底である地帯生産性が下流から遡上しうる全生態秩序の総進化速度より、等価原理に則り早い場合だけ。つまり原則として中流域と中間文明および中間帯宇宙の多数の生態は彼らが想像できる限り必然の秩序の編入に経済力進化の既得条件内で適応できねば絶滅する。広域に及ぶ淘汰の規則へは彼らの想像力が普通には脳容積割る感応器の鋭敏さについて見事な比例を保っていることで恐怖をある範囲に閉じ込め働きをしている慰めが見つかる。進化速度は彼らが業と呼ばれる自己活動の結果を十分認識しつつもそれを即刻の死によって受け入れる能力をもつと知らせる。そして進化速度自体は生態系の属する光環境と全体から引いた速度比を最大の密度の中で起こる突然変異出現率(これは期待できる生態系の孤立時間による)に鑑みたものゆえ、偶然の異類接触を除いて、支配した孤立文明自体がその維持や選良生存を保障されるのは条件の中で起こる特異性保守率が他のほぼ同一条件の文明より何らかの都合か誘因で高い場合だけであり、更にこの場合は生計外ゆとり幅のある一般的経済力としての生態系か社会単位の生産量へ大幅に依存する。
七夕宇宙系の型をとってみても明らかにその最上流視はできないので、人類とその末裔か変異した地球型生態が生存確率を保てるのは生産量の多寡平均を生態史の時代毎に測るか推した多さの側に傾く割合で。もし確率を除いて経済力をみると、進化の矛先は生態構造から導いた最もエネルギー資源投入に恵まれた地帯の一員により早く、より広い生態交渉を依頼するらしい。だから運よく維持されれば七夕宇宙外との交通路を拓くのは文明逆数の比例順序にほぼ叶う生態。