色彩はどんな意味を持つ自然界の要素か。我々はそれを視覚的把握を通じた物質化学状態の認識に用いる為に眼球を進化させた。色彩は物質表面の光反射率に依存する。それは表面の状態を知らせる。従って擬態もあり得る。化粧や絵画は装飾を通じた擬態の作為である。網膜の錐体細胞における如何なる要素が色彩感覚を示すかを知るべきである。一説にオプシン蛋白質の反応性が色彩感覚の原色刺激になると云う。その真偽を調べる方法を執る事。もしそうなら如何なる感覚野が存在し各生物で如何に違うか。人間が光の三原色(赤青緑)と絵の具の三原色(赤青黄)とを見分けるのはどうしてか。
彼らは錐体細胞には青赤緑の蛋白質反応体を持つと仮定して、それらの知覚に比べると物質表面の合成は光の全反射において白、全吸収において黒を示す、つまり光に対する反射度の減退として絵の具は物質表面に作用する道具だ。
一方で、透明な物質は光を透過するから色彩をもたらさない。又、反射するに当たって透過なものは表面が平滑ならばそこで光を映す。鏡はこの作用をエナメル質の全反射特性を通じて利用したもの。全反射ながら白にならないのは物質表面が平滑な為に光が散乱せず直接反射するから。よって、鏡の表面を細かく傷つけるとそれは白くなる。ステンレスに対する白銀の光沢は同様の現象による。
真っ白なエナメル質のもの、例えば塩化ビニールと鏡状のもの、例えばステンレスとは如何に光・色彩化学的に異なるか。塩化ビニールは如何に色彩を散乱させるか。ステンレスは如何に色彩を直接反射させるか。その作用の違いを調べる事。
光学用語。
正反射、鏡面反射…光の直進を反射の法則で尊重する
乱反射…物質表面で光が拡散する
反射の法則…等角で跳ね返す
吸光…物質が光を吸収する現象
銀色はAg原子の集積によるしろがねの輝きをも意味する。金属光沢は如何にして発生するか、又その性質は如何なるものか。金属内部の自由電子と光束とは如何に関係し現象を発するか。