2007年9月2日

政道論

自由偏重の民主政体は単なる国際競争の方便であり文明の目的ではない。それは持続不可能であり、遅かれ早かれ衆愚政へ退廃し、外的侵略で亡ぶ。文士はその中で現代政権死後の新芽の養生に充分準備しておけば良い。自由国家の老廃そのものは避けられず、寧ろそれこそ新たな再生の試金石となるだろう。持続可能なのは民主社会主義、又それを通じた中道政体であり、既に北欧三国では原型が実現されている。
 早晩アメリカの世界史中に必然な崩壊を傍目に看ているだけでは済まない日本に於いてさえ、「最先進国のモデル」へ向けて自らの脱構築を計る方法は存在する。それは彼と是、不良アメリカと善良北欧を明白に比較して、民衆へ近未来の模範を選ばせる事だ。
 強国追従は狭くなった地球で和平を執る為に最悪のシナリオの一つとなる。なぜなら覇権者の自由主義暴走とは単なる国際絶対王制でしかなく、いずれテロリストに革命される。破滅を避けるには当の王には気づかれないようにそっと、悪友の集会から徐々に足を洗うしかない。密かに精選した後発民間へ新規足場を築き上げたら、傲慢に陥った棟梁を革命する瞬間を辛抱強く待て。官尊民卑の悪習を一掃するには絶滅的な体制崩壊を一度通過した方が良い。
 現代人は恰も知らぬ振りで覇権者の犬たる日本人官僚を騙し、民主主義を闇雲に狂信させて自らの国家を破綻させれば良い。
 改良主義化はその後で充分だ。暗喩すれば、悪貨を根絶しなければ新通貨を流通させてはならない事。

 さもなければ単に国体退行に終わり封建体制は復活し、国寿は致命的に侵されるだろう。例えば現代中国が封建的中央集権体制を継続したまま民主化の振りをしたことで却って国体を虚弱化し、建国50年足らずのわずかな寿命をますます縮めた様に。