2007年8月11日

配偶論

自由恋愛の奨励が即風紀向上をもたらすというのは誤解なり(例えば福沢・漱石)。結婚とは偏に経済的担保の共生契約に過ぎず。恋愛とは目的に非ず、その契約制度に期待された自由な配偶選択の機会幅已。
 どころか、現に抑圧の意図的に解除された恋愛環境に於いて、却って猶予の延長はその退廃をもたらす。彼らは性愛を悪戯けへ弄ぶに過ぎず、結局社会的生産力へ直に繋がらず。出生率低下と離婚率上昇。

 もし風紀自体を向上させたくば、自由な配偶選択の奨励と両輪に家計を潤す経済体制を整えざるベからず。かつ、逆説すれば君経済的成長を見込めぬ時勢と察すれば寧ろ風紀の厳粛に孜々努めざるベからず。
 これ恋愛乃ち自由配偶選択と家計の秤なり。もし恋愛を解放したくば単に家庭を築く家計を潤さざるベからず、又既に家計を潤さば風紀の厳格を社交に浸透せざるベからず。衣食足りて礼節を知る、之又交際の発展に関しても同様。